真はじめの思い出

真はじめの作品集

九州の旅愁・真はじめの思い出

九州の旅愁・真はじめの思い出 その1

ー 秋月~太宰府~二日市~博多 ー

はじめに

九州には、多様な自然の中に旅愁を感じる様々な風情ある景色がありますが、
「真はじめ」も83年間の人生の中で、風情ある景色に触れて感じた旅愁を、
歌詞として遺しました。

 このブログは、その歌詞を紹介するものです。

*福岡県・秋月*

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出典:あさくら観光協会

・・・・秋月恋歌・・・・ 

かさを優しく さしかけて
旅の情けを くれた女(ひと)
格子づたいに 寄り添えば
糸がもつれる 草木染
ああ あの女の
雨の秋月 城下町

通りすがりの 恋ゆえに
燃えて散りゆく 山紅葉
影をかさねる 白壁が
むせび泣くよな 仲小路
ああ あの女は
月の秋月 武家屋敷

忘れないよと 手を振れば
くもる別れの めがね橋
うしろ姿が 恋しくて
鐘があと追う 西念寺
ああ あの女よ
甘木 秋つき 小京都
(c)真はじめ

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イメージ:武家屋敷

*福岡県・太宰府

太宰府は、太宰府天満宮など歴史が刻まれているところです。
真はじめも、ここの風情にふれながら、多くの歌詞を遺しました。

 

・・・・夢しのぶ・・・・

天満宮の 仲見世通り
松屋 松ヶ枝 月淡く
国を憂いて 身を隠(しの)ぶ
月照と 志士たちが
遺せし 筆跡(もじ)に 夢しのぶ

千歳(せんざい)語る 樟木立(くすこだち)
倶(とも)に天衝(そらつく) 大鳥居
とかく浮世の 恋うわさ
九州男児 かくありと
耐え立つ 雄姿(すがた) 空青し

そよ吹く東風に 誘われる
お石が茶屋の 軒に舞う
人を愛して 愛されし
面影映す 梅の花
恋しや お石 春が行く
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・藍染川伝説・・・・

京都を遥か 太宰府
訪ねし君は 人の夫(つま)
逢瀬を願う 水茎の
あとに乱れる 恋慕(こい)なみだ
呼んで下さい 梅千代と
抱いてください 梅壺を

藍染川に 身を投げし
母御にすがる 幼な子よ
妻子と知りて 頼澄が
天神(かみ)に合わせる 掌(て)も悲し
生命(いのち)ください わが愛妻(つま)に
幸をください いとし子に

はかなく薄き 人の世を
仏に仕え 結ぶ夢
その名を点す 光明(寺)を
語り継がれし 物語り
流れ涼しき 思い川
今なお悲し 梅花(はな)が散る
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・初恋天満・・・・

きっとお願い かなえてと
合わす両掌(て)に 梅花(はな)が舞う
幼ななじみの 兄さんが
都会(まち)に行くのは 悲しいけれど
祈る太宰府 天満宮

いつも遊んだ 参道で
ふたり歌った 通りゃんせ
忍び切れない 初恋を
絵馬にひと文字 したためました
こころ伝えて 飛び梅

いつか世に出る 人だから
辛い別離(わかれ)も 耐えられる
夫婦白鳥 むつまじく
泳ぐ水面に 乙女の夢を
今日も映した 菖蒲(あやめ)池
(c)真はじめ

       

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出典:クロスロードふくおか

・・・・まほろばの恋・・・・

夏の初めの 都府楼址で
初めて逢った 君だった
しろつめ草の 野に佇んで
歴史を歌う 歌姫の
輝いていた 長い髪

そぞろ歩けば 四王寺山の
そよ風かおる 夕まぐれ
万葉人の 夫婦(つま)恋歌を
語らいながら 確かめた
ふたりの愛の あかね色

観世音寺の 鐘鳴り渡る
まほろばの里 樟木立
肩寄せあって 心の底を
温めあえば 恋あかり
天拝山に 月淡し
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・ 筑紫野・夢しのぶ・・・・

青い礎石に たたずめば
瞼にうかぶ 大回廊
遠の朝廷の 宮人が
まつりの宴 舞いながら
歌いし歌が 偲ばれて
都府楼の跡 鐘がなる

春は粉雪か 散る梅花(うめ)か
誘うは東風よ 榎寺
御衣の余香に 涙して
京都(みやこ)を想う 菅公が
仰ぎし秋の 十五夜
天拝の峰 月白し

めぐる水城よ 山城よ
防人たちの 夢の跡
のぼる武蔵の 湯けむりに
維新の志士の 赤心が
今なお残す 大ロマン
まほろばの里 風さやか
(c)真はじめ  

 

*福岡県・筑紫野・二日市*

真はじめは、二日市温泉を愛していました。お湯に浸かりながら、温泉街での出来事に想いを巡らせていたのでしょう。

 

・・・・筑紫野あかり・・・・

石碑(いし)に刻んだ 三十一文字の
万葉がなを 説いた君
行きずりの この胸に
ほんのり点した 恋あかり
筑紫野の里 春がゆく

今は切なく 万葉人の
人恋う歌が 夢ぬらす
目ざめれば 丸窓に
あの君浮かぶ 月あかり
筑紫野の里 夏もゆる

きっと逢えると 信じて今日も
史跡にひとり 歌を詠む
秋がゆき 冬の夜は
君恋しさの 雪あかり
筑紫野の里 春まじか
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・筑紫野の恋・・・・

藤むらさきの 参道で
初めて逢った 君だった
茶の湯帰りの 日本髪
見惚れて そっと 声かけて
こぼれた笑くぼが 忘られぬ
花の武蔵寺(ぶぞうじ) 筑紫野路

観月祭り かがり火が
二度目に逢った 恋明り
京都(みやこ)偲んだ 菅公が
仰いだ満月(つき)に 見つめられ

恥じらい 寄り添い 燃えた宵
恋の天拝(てんぱい)(山) 万葉歌

紅葉(くらない)映す 天満宮(おやしろ)に
変わらぬ愛の 願かけた
離れられない しのび宿
乱れて求め 燃え落ちて
温泉(ゆ)の香に 明日(あした)の 夢結ぶ
湯町 恋町 二日市
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・二日市炎歌・・・・

着替えたばかりの 浴衣の襟に
顔をうずめる しのび逢い
むねに甘えて 乱れた髪を
窓に映して 掌(て)でとけば
炎えてはずかし 雪あかり
湯町 恋町 二日市

こんなに貴方を 愛していると
見せてあげたい 胸の中(うち)
ひと夜かぎりの 妻の身ゆえに
きざむ時計を 夢うつつ
聞いてぬらした うで枕
湯町 恋町 つもる宿

夜明けの湯舟で 抱きしめられて
つらい明日も 生きられる
たとえ離れて 暮らしていても
胸に貴方の 面影が
ともす二人の 恋あかり
湯町 恋町 二日市
(c)真はじめ

            

・・・・筑紫野わかれ町・・・・

この町で
貴方を見たと 聞きました
面影追って たずねた駅は
朱塗(あか)いホームに いで湯の香り
湯町 恋町 二日市
何処にいるのよ あなた
教えて下さい あなた
筑紫野は 淋しい

ああ今は
一人じゃないと 知りながら
未練の糸が 絡んだままに
影を一つに 重ねて泣いた
寒椿(つばき) 恋町 武蔵寺(ぶぞうでら)
せめても一度 愛を
わたしに下さい 愛を
筑紫野は 切ない

雪が舞う
朝倉別れ 街道に
達者でいろと 背中で聞けば
凍りつくよな 男の言葉
湯町 恋町 別れ町
二度と見ないわ 夢を
わたしを泣かせる 夢を
筑紫野は 悲しい
(c)真はじめ


*福岡県・博多・中州*

・・・・うまかもん・・・・

玄海育ちの 気っ風の良さは
男ばかりの 華じゃない
惚れたお方にや 憎まれ口も
激辛 中辛 たたいて尽くす
辛子めんたい そっくりタイ
ほんに 博多の女は うまかもん

見捨てちゃおけない 人情(なさけ)の深さ
粋な啖呵(たんか)も 切って出る
人のためなら 損得ぬきの
とんこつスープに 真心こめる
博多ラーメン そっくりタイ
ほんに 博多の女は うまかもん

お祭りのぼせの 亭主の陰で
花を咲かせる 気負いの水
思い込んだら 地獄を見ても
尽くして しびれて 命を賭ける
珍味ふくちり そっくりタイ
ほんに 博多の女は うまかもん
(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

・・・・博多っ子 屋台・・・・

博多福岡 街かど角に
日暮れ花咲く 提灯あかり
飲み屋ごまんと あるバッテン
肩を詰め合う 止まり木に
逢うたその日が 顔なじみ
博多っ子なら 屋台バイ

何処で呑もうと 行きつく河岸は
いきで気さくな おばちゃん屋台
うまか安かの 焼きとりと
おでん肴に ぐい飲んで
とどめ ラーメン 紅しょうが
博多っ子なら 屋台タイ

飲めば部長も ひらもない
酔って飛び交う 博多弁
今日の良かこつ 悪かこつ
ざっくばらんに 胸の中
見せりゃのれんに 月がさす
博多っ子なら 屋台クサ
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・出逢い橋・・・・

にわか雨でした
走る貴方に 傘さしかけた
何げないよに 別れたけれど
うしろ姿に 追い山笠の
声が淋しい 夏でした
中州 ふたりの 出逢い橋

忘れられなくて
きっと逢えると 信じてました
夫婦きどりで 那珂川ばたを
そぞろ歩けば ネオンの花が
赤く炎えます ゆれてます
おんな 夢咲き 出逢い橋

いのち溶けるほど
抱いてください 力の限り
たとえ一夜の 夢でもいいの
貴方この手で 点して欲しい
博多おんなの 恋あかり
中州 いのち火 出逢い橋
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・であい橋ブルース・・・・ 

夜の中州は 那珂川岸に
人肌恋し 灯りがゆれる
おとこと女が 今日も また
ほろ酔い 行きずり であい橋

愛の天神 公園通り
より添う影が からみつく
このままお別れ するなんて
ささやき ため息 恋広場

夢の春吉 小さなホテル
ひと夜の夫婦 演じてる
明日はどうなる あてもなく
求めて あたえて 燃えおちる

博多 福岡 結んだ川に
昨夕(ゆうべ)の情け 投げ捨てる
おとこと 女は 今日もまた
恋待ち 夢待ち であい橋
(c)真はじめ

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出典:クロスロードふくおか

・・・・博多山笠・祭り唄・・・・

祇園太鼓が 博多の空に
ドンと響けば 夏が来る
街は山笠 七流れ
燃えて きりりと 揃いの法被
夏の暑さを ぶっとばせ
オッショイ オッショイ オッショイ オッショイ
かき山 博多の祭り

櫛田神社の 大銀杏がゆれて
はずむ太鼓で 朝が来る
ねじり鉢巻 兵児しめて
背なの流れ名 しぶきを浴びて(リャ)
おとこ素肌に 血がたぎる
オッショイ オッショイ オッショイ オッショイ
追い山 男の祭り

浜は箱ざき お汐井そだち
粋が自慢の 博多っ子
赤い手拭い エイ ショー エー
勇み肌なら 日本一よ
女泣かせる 夏祭り
オッショイ オッショイ オッショイ オッショイ
ひき山 博多の祭り
(c)真はじめ

 

今日は、中州の小さなホテルに泊まることになるのでしょうか?
旅は続きます。

<その1完>

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