真はじめの思い出

真はじめの作品集

九州の旅愁・真はじめの思い出その2

九州の旅愁・真はじめの思い出 その2:遠賀川

はじめに

九州には、多様な自然の中に様々な風情ある景色があります。
「真はじめ」も、83年間の人生の中で、風情ある景色に触れて感じた旅愁を、
歌詞として遺しました。

 このブログは、その歌詞を紹介するものです。

 

*福岡県・筑豊遠賀川

・・・・川筋かたぎ 五平太船・・・・

意地がぶつかりゃ 命を賭ける
背なの 唐獅子 吠えだすぜ
み竿一本 ふんどし締めて
まける訳には いかんたい
ドンと石炭(すみ)積め
俺は 俺は 俺は 五平太船頭
川筋育ち

よーし、分かった。あんたの気性に 惚れたバイ
なんち かんちい いいなんな 理屈じゃなかたい


喧嘩ばやいが 情けに弱い
遠賀土手ゆく 赤べこ
思い運んで 川筋くだりゃ
筑豊任侠 花と散る
ドンと すみ積め
俺は 俺は 俺は 五平太船頭
荒くれ男

赤いネルの腰巻かいた 嫁女がほしけりゃ
五平太船に乗って、金ば稼がにゃ 
それが男の仕事タイ 男の夢タイ

             
義理にそむけば、沈んでしまう
それが掟の 五平太船
燃えるボタ山 へ先にのせて
行くぞ 芦屋へ 若松へ
ドンと すみ積め
俺は 俺は 俺は 五平太船頭
川筋かたぎ    
 
(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

 ・・・・遠賀川追憶・・・・

瞼とじれば 五十年
まわり灯籠 炭鉱(やま)の町
くずれた納屋の 裏側に
菜の花ばたけ 舞う蝶ちょ
あの娘 お下げリボンを 思い出す
ああ しのぶ そんな名前の 娘だったよ

                   
遠賀土堤(つつみ)の 土筆とり
母とはしゃいだ 草いきれ
おにぎり食べた 水辺りの
流れに小ぶな 光ってた
乳房(むね)の 甘い匂いを 思い出す
ああ 夢が 空の彼方で呼ぶような


どこかに消えたか 煙突の
空に昔の そよぐ風
ボタ山駆けた 悪童の
いが栗あたま 長い影
赤い 夕陽えがおを 思い出す
ああ 今は どこかで暮らして いるだろか

(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

 ・・・・遠賀の女・・・・

義理だ 恩だと 生命を張って
男 やるときゃ やるがいい
あとの事なら 心配無用
あんた・・・うちが ひかえちょる
男ばかりの 筑豊じゃなかタイ
川筋おんなも 強かとバイ

             
春の菜の花 コスモスの秋
映す水面は 花鏡
ガキの頃から 一緒に咲いた
あんた・・・うちは ゆめ見花
女だてらに 啖呵も切るが
惚れちょる男にゃ 弱かとタイ


意気と度胸は あんたの仕込み

情けもろいは 親ゆずり
炎えるボタ山 火は消えたけど
あんた・・・うちの 血は燃える
男まさりと 笑われようと
川筋おんなは 気にせんバイ  

(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

・・・・菜の花恋うた・・・・

流れは昔の そのままに
遠賀川原に 春がゆく
嫁に行ったと 噂にきいた
三年振りの 故郷は
菜の花 悲し 夢かなし

            
待っててくれよの ひとことを
いえず別れた 意気地なさ
花にかくれて 名を呼びあった
おもかげ追えば 風に散る
菜の花 ゆれて 君恋し


しあわせだったら それでいい
風よ伝えて この心
花のさざ波 ささやく河岸が
幼い恋を 見つめてた
菜の花 淋し 水清し 

(c)真はじめ  

 

 

・・・・菜の花炎歌・・・・

お願い 何も 聞かないで
いろんな事が ありました
再び逢えた 喜びを
胸にすがって 確かめる
あの日のような 花の波
菜の花 ゆれて 蝶が舞う

            
貴方の面影 かた時も
忘れた事は なかったわ
ひと枝の花を 髪にさし
とても似合うと 抱きよせた
あの日と同じ 花かすみ
菜の花 匂う 風ひかる


黄色は幸せ 色と言う
ふたりを結ぶ 花なのね
待っててくれた 真実(まごころ)に
今は咲きたい 捧げたい
あの日を偲ぶ 花あらし
菜の花びらが 肩に舞う 

(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

・・・・菜の花情歌・・・・

悲しい過去は 忘れなと
貴方やさしく つぶやいた
菜の花びらが 光る土堤
三年振りの 春あらし
こころ めらめら めらめら燃えて
燃えて砕ける 恋の波

          
菜の花一枝 髪に差し
とても似合うと 抱き寄せた
指さえ触れた こともない
あの日の愛の 花おぼろ
思い くらくら くらくらゆれて
ゆれて溺れた 恋の海


離しはしない 離れない
花に隠れて 確かめる
寄り添う蝶が 風に舞い
しあわせ点す 夢明り
からだ ひらひら ひらひら散って
散ってくれゆく 恋のつき

(c)真はじめ

 

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出典:クロスロードふくおか

・・・・花霞(はながすみ)・・・・

つもる苦労も あったろに
幼な笑顔は 残っているよ
そっと逃れた 同窓会の
酔いを流せば 穂波川
風に菜の花 そよぐ土堤


鉱山(やま)の長屋 片すみが
いつも二人の 遊び場だった
恋もわからず 一回きりの
ほおに口づけ した別れ
さくらひとひら 散っていた


時刻(とき)を過去(むかし)に 戻したら
きっと夫婦に なれただろうに
胸にうずめて 甘える髪を
指でまさぐる 月明り
抱いて消えたい 花がすみ 

(c)真はじめ        

 

真はじめは筑豊で育ちました。これらの詞は若いころの思い出でしょうか?
菜の花があふれている情景を見ると、元気が湧いてくるような気がします。
思い出の旅は続きます。

 

<その2 完>

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